こんにちは、わたしです。
「
うた恋。」シリーズの公式個人誌であるところの「
うた変。」をとうとうこの手に入れました。
成程、大きさは同人誌でよくあるあの大きさです。コミケで売られていたというのに変に納得しながらほくほくと読みました。
さて。
「うた恋。」という漫画は副題(?)を「超訳百人一首」と申しまして、かのニコ動うp主様であるcdmさんこと杉田圭氏の作品です。
うpされた動画の一つがこちら↓
このブログに何度も貼り付けてますね! わは!
BASARAや遥時シリーズの動画や二次創作漫画をうpされているcdmさんですが、「うた恋。」の内容はと言いますと
副題から推して知るべし、小倉百人一首にとられている和歌を詠んだ歌人達の姿をその歌と共に漫画化しました、というものです。
一巻には十三番、十七番、五〇番、五七番、六三番、八九番、九七番に纏わるお話が納められております。
二巻では六歌仙に焦点が当てられています。
皆様一度や二度は百人一首の中で「これ俺の持ち歌~」なんてお気に入りを暗記したことがあるのではないでしょーか!
わたしが厨房の頃、授業で「百人一首を全部覚えろ」というムチャなお達しがなされました。
案外やれば出来るもので、当時はライバル達とどっちが先に暗記できるか競い合ったものです。なつかしや。
今はもう忘れちゃってるけどな!
でも未だに枕草子の「春はあけぼの~冬はつとめて」の一段と、平家物語の冒頭の「祇園精舎の鐘の声」と、竹取物語の「今は昔竹取の翁と~三寸ばかりなる人いとうつくしゅうていたり」は覚えている。
莫迦な学生だったもので古文漢文の暗記系に命をささげていました。もっとささげるべき場所があっただろうに……。
話が逸れました。
で、全部は無理だけれどせめて一首だけでも! というような時流が生まれました。
せっかく百人一首を覚えるのですからそりゃあ勿論カルタもやるわけです。
勿論坊主めくりもやりました! 楽しかった!
とまあ、上の句下の句完璧に覚えているのを一首だけでも! そしてあわよくばクラス一位に!!! みたいな野望を皆心に秘めて教科書とにらめっこするわけです。
わたしは無意味に「こころあてにおらばやおらんはつしものおきまどわせるしらぎくのはな」を持ち歌にしていました。
一番を覚えるのは芸が無いし、他の有名な歌を覚えるのも目立たない、ならば地味に目立っていないけれど情景が綺麗なこの歌を! とかそういう目論見だったと思います。
当時は「俺の持ち歌自慢」みたいなのもし合っていました。
「く、あまつかぜ とは、こいつイカす歌覚えてやがる……!」
と嫉妬してみたり
「ふっ 所詮貴様は有名な ひさかたの に走った軟弱ものだ!」
と蔑んでみたりしていました。
わたしだけかも知れませんが。
さて。
そんな時代は遠い過去。思い出すと目から塩分の混じった水まで垂れてくる程遠くなってしまった物語ですが、今改めて小倉百人一首の和歌を読むと……
いやあ、いいものですなあ(´∀`*)
持ち歌ではありませんでしたが、初めて聴いた時にすでに心奪われていたのが、式子内親王の歌、
89番「玉のをよ たえなばたえね ながらへばしのぶることのよわりもぞする」
この歌は技巧的でもあります。「緒」の縁語が使われているのですね。
「たえ」が二回、「ながらへ」、「よわり」が縁語なのです。糸関連の言葉ですね。
縁語で有名なのは、「うた恋。」一巻二巻両方に登場する在原業平の「かきつばた」の和歌でしょう。
「からころも きつつなれにしつましあれば はるばるきぬるたびをしぞおもふ」
「衣」の縁語が「き」が二回、「なれ」、「つま」、「はる」
普通に意味も通って洒落もきいててってまあ二人とも恐ろしく巧みな歌人ですことと今読んでもぽわんとなります。ぽわんぽわん。
で。
そんな高度な技巧を使いつつ、それを意識させない、身を焦がす如き熱情をか細い喉から血を吐くように、そんなに力強い想いであるのに、今にも消えてしまいそうな儚さで絶唱するこの和歌にわたしはくらくらしたのです。
超訳されると式子様の歌はこんな感じ↓
「この恋を忍ぶことにいつか耐えられなくなるくらいなら 私は今消えてしまってもかまわない」
たっはーーーーーーーー
こんなん読まれたら即落ちです僕ぁ。
式子様がこの和歌を送ったとされるのがあの字がめっちゃ下手ということで有名な藤原定家さん。
一応、小倉百人一首は定家さんが選出したということになっていますが、実は詳細不明なのだとか。
それは置いておいて、この歌だけでなく色色なネタが有る為、式子様と定家は恋仲だったんじゃないのーという妄想が後世に爆発し能にまでなりました。
「うた変。」ではその能を下敷きにしたお話も載っています。
ところで、僕らの式子様は、斎宮となった内親王であり、斎宮というのは十台の頃の数年間を伊勢神宮(等)でお仕えし、退下した後も生涯独身を貫くのが通例、つまり一生恋をすることの叶わぬ身でした。
だから定家さんと恋仲だったのだとしたら、それは許されぬ恋忍ぶ恋だったわけです。
しかも定家さんの方が十三も年下!
萌えるね!!!1 燃えるし萌えるね!!!!!
大変わっふるわっふるする設定ですがこれは是非是非「うた恋。」を皆様に読んで頂き、二人がどのように描かれているかその目で見て欲しくわたしは思います。
式子様と定家の話は「うた恋。」一巻の一番最後に載っているのですが、わたしは何回読んでも
何度読んでも
式子様の言葉に滂沱してしまいます。
わたしに式子様の気持ちが解るはずはないのですが、多分それは解った気がしちゃっているだけなのでしょうが
それはもう辛くて、苦しくて、でも生まれてきて良かったと思えることでもあって、ああ涙腺ついてて良かったなあと大いに人間賛歌したい気持ちになるのです。
歌うことは、人間賛歌につながっている。
歌えることは素晴らしいことだ!
上手くまとめようとは思ってないよ! まとまらないと格好つかないなあと思っているだけで!
さて。
自分的にはちょっとまともな話をしたと思うのですが、もう一つ俺得な話をば。
「うた恋。」一巻に登場する陽成院は、二巻の特典DVDにも登場します。
特典DVDの内容は一巻で扱われている
十三「筑波嶺のみねより落つるみなの川 恋ぞつもりてふちとなりぬる」
を更に深く掘り下げた内容となっております。
二巻は是非ともDVD付き版をご購入して頂きたいです><ノ
寧ろ観せたい観て頂きたいすべての方に!!!!!11
これはガチでお宝!!!!!!!!!!
というわけで続きは折り込みで!
陽成院の母は二条后です。
聞き覚えがあるのではないでしょうか。
そうです、伊勢物語です!
伊勢物語の「昔男」が駆け落ちして連れ出して、夜露を「白玉か何ぞ」と問うた、あの高子様であらせられます。
「昔男」のモデルが我らが六歌仙で三十六歌仙の一人であるところの超絶イケメン天才プレイボーイ貴公子、在原業平というのも有名ですね。
つまり何が言いたいかと言いますと
陽成院の本当のお父さんが業平である説!
ないわー。
自分で言っといて速攻却下ですが、ないわー。
ウィキペディア先生に伺ってみたのですが、高子様が入内されたのが御年25歳の時。
当時の感覚からすると大分いき遅れっぽいのですがどうなのでしょう?
そしてウィキペディア先生の仰る限りでは、陽成院が生まれたのが高子様27歳の時。
業平と高子の駆け落ちは失敗に終わり、その後高子様は入内するのですから、陽成院を身ごもるまでの間に業平とにゃんにゃん出来た可能性ってかなーり低いですよね?
因みに業平と高子は十七歳の歳の差カップル。
燃えるね!!! 萌えるね!!!!!!
しかしながら、業平はその後陽成院の人生にちょくちょく関わっています。蔵人頭になったりして。
細かい数字とか言い出したらないわーなのでしょうが
いえそもそも、伊勢物語で語られている業平×高子自体が「ないわー」と言われているものなのでアレですが、
んなこたあどうでもいいんだよ!
ともかく、「うた恋。」の世界では、二人はやることやっていて、陽成院のパパが業平でもおかしくないことになっているのです。
そして注目して頂きたいのが、「うた恋。」における業平のお顔と陽成院のお顔。
二人とも特徴的な歯をしています。八重歯という奴が強調されています。
ここでもう一度観て頂きたい、上に貼り付けた「伊達のくしゃみ」動画。
伊達君の歯並びと、伊達パパの歯並びをご覧下さい。
これはcdmさんご本人自ら語っておられる仕掛けです。
もうお分かりでしょう。
業平と陽成院の歯並びがおんなじなのです!!!!!!!!1ここでもお得意の仕掛をして下さったのですねええええええええええええとcdmさんファンのわたしは大悶絶! 布団の上でごろごろしました!
更にDVDのお話がやばい泣けるのです。
もう業平……めっちゃ父ちゃん……!!!!1
父としては接せない業平。
父だとは知らない陽成院。
それでもいつも一緒にいた二人。
我が子に、父として、何かを、「大切なもの」を残そうとする、そんな父の姿。
そして素直じゃない陽成院の「あいつのこと気に入っていたのに」発言の時の顔。
ああもう僕家族ものに弱いんですってばああああああああああああああああああああああ
とそれだけでブラウザの前で大洪水のわたしですがこれは業平高子陽成院の親子三人物語にあらず。
陽成院と、彼の唯一残っている和歌、「筑波嶺」の和歌を送った相手、陽成院の妻綏子内親王の物語。
何これ
夫婦っていいね!!
妹背って素晴らしいね!!!!
まじ
夫婦の次は、なんになろう 状態が止まらなくて布団の上でごろごろごろごろごろg(エンドレス
え?
わたしは勿論、カッポル撲滅委員会委員長です。
ですが、故人のことについてはとやかくやと言いません。
物語の中なら尚のことです。
むしろそっちは推奨派です。
例えばめだかボックスに於いてはくまがわ君の恋を応援していたりします!
そういうわけで、大変素晴らしいDVDでした(´∀`*)
欲を言えば、最初に出てくる筑波山の祭りシーンで、陽成院と綏子ちゃんのシルエットではなく、業平と高子のシルエットにして欲しかったなあ。
「うた変。」の方はもっとこう、R18とかR21とかでがんがん飛ばして欲しかったです。
お前らもっといちゃつけええええええええええええwww
あと業平と康秀のやりとりがかわゆすぐる。
康秀可愛いよ康秀。
業平にとってのたった一人の友達だったのかもね(´ω`*)
ああそれにしても、「筑波嶺」の和歌改めてほんとうにすごくいい和歌だなあ。
告白に使いたい。プロポーズに使いたい。
しかし、それにはジョジョに思いを募らせるような、そんな間柄の相手が必要なわけで。
僕にはそんな幼馴染とかいないわけで。
そんなわたしは、式子様と定家のような、遊びという仮面で隠した本気の恋というのにも憧れます。
誰か僕に「玉のをよ」の和歌を歌ってよこしてください。
引き結ぶ枝に注文はつけません。
でも百合の花はダメです。
百合は大好物ですが花はダメなんです匂いが。
というわけで「うた恋。」素晴らしい本なので是非是非読んでみて下され!
【隔日一蔡樹】

前回ぺろーんしている絵を描いたから、普通ぺろーんしちゃったら前抑えるよねと思って。
もはや蔡樹である必要が微塵もない構図である。
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